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ななみ染革 ~革染め職人さんを訪ねて~

5月18日(日) 滋賀県犬上郡多賀町へ行ってきました。
今回もDimaさんと、ご一緒させていただきました。
久しぶりの「職人シリーズ」、今回は革染め職人さんを訪ねてきました~^^
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今回お邪魔した安藤さんは、ずっと京友禅の染め職人をやっていて、革を染めるようになってからは、まだ5年とのことです。
しかし、京友禅のように、革を染める職人さんはいないとのことです。
日本に1人! いや世界に1人の職人さんなんです!!

最初に染めた革を見せていただき、触ってみましたが、革とは思えず・・・。
まさに、やわらかい絹のような肌触りなんです! 見た目も、ものすごくきれいなんです!!
ピンク革の刺繍の白い部分を見れば、革とわかってもらえると思います。
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この革は、中国から輸入される「キョン」と言われる「ホエジカ」だそうです。
シカの革は非常にきめ細かいため、物をこすという文字も「漉す」と書かれるくらいで、やわらかくて強い革だそうです。

着物のなどの生地を染める場合は、蒸して染めるらしいのですが、革は蒸すと縮み固くなるため、この5年間は、革選び・染め方法など、失敗と試行錯誤の連続だったとのことです。

写真↓の白い革がシカ革で、型紙を当て、木ヘラでノリを塗り、文様を描いてから、染めの作業に入ります。
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「藍」で藍色を、「カイガラムシ」でピンクや紫色を出されるとのことです。
今回は、茶色やグレーの色を出す「柿渋」での染め作業を見せていただきました。(通常は違う場所で行ってみえるとのことです)
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「柿渋」に染めた革を陰干しで乾かし、この作業を5回~7回ほど繰り返して行うそうです。
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長い間、京友禅の仕事をされていたため、刺繍屋さんや小紋屋さんのお知り合いが多く、染めに刺繍や押し型など、様々な柄・文様を描かれます。
写真の木型は、砂糖菓子などを作っていた古いもので、このような型も利用されるそうです。
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また、飾り金具もいい味を出すとのことで、骨董屋さんからの掘り出し物もたくさんお持ちでした。
昔は刀の柄などに模様を入れていた職人が、時代の流れとともに飾り金具を作る職人になり、タバコ入れなどの粋な留め具として使われたそうです。
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こちらが完成品の見本で、財布と名刺入れです。
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こちらは着物用の小物カバンで、きれいな色、素敵な文様や刺繍でした。
桜の花びらにみえる部分が、「鶴」五羽で出来ていたり、至るところに細かな粋な細工がしてあります。
これは、着物を着られる女性は欲しいだろうなぁ~^^
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安藤さんの染めた革は、口コミで広がり、名だたるところにも納めたこともあるとのこと・・・。
本当にすごい!

おひとりでやられており、まだ5年ということで、受注生産となっており、欲しくても手に入りません。
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そもそも基礎知識がないため、正しくお伝えできているかわかりませんが、技術の凄さを拝見でき、貴重な体験をさせていただきました。

安藤さん、親切丁寧にたくさんお話しいただき、ありがとうございました。
すごく楽しい撮影でした~^^
by monsukewc | 2014-05-19 22:32 | 伝統文化